未来を変える少年

昔々あるところに能天気な少年がおりました。
その少年は漫画やアニメに触発され頭の中身がファンタジーで出来ておりました。

その少年は、学校から帰ってきたら毎日1時間ほど「かめ〇め派」の練習をしていました。

その少年は、どこかの猫型ロボットに影響され、
押し入れの中で寝ている事が母親にバレて叱られていました。

その少年は、どこかの御曹司に影響され、
田舎の池で見つけた亀に胴体に縄をくくり散歩させていました。
乗って移動できるかも挑戦していました。

その少年は予知能力を養うために、
デジタル時計の分が変わる瞬間を毎回言い当てるために2時間ほど一人で時計の前に座り、
1分毎にハイ！ハイ！と叫んでいたこともありました。

そんな少年ですが、ふと未来は必ず決まっているのか？
調子に乗って哲学的なことを考える事もありました。

例えば、この部屋から出る第一歩は、普通であれば右足から出るのだが、
左足から出れば未来は変わるのではないか？
いやいや、待てよ。
それも計算されており、そう思わせての右足から出るのが未来を変える手段ではないのか？

右足で出ようとしながら、着地点ギリギリで左足に変えたらどうだろうか？
そもそもどちらを選択してもそれが決められた未来なのではなかろうか？

少年は悩みました。考えました。
何が正解なのか。正解などないのか。

部屋から出られなくなった少年は悩んだ末に結論を見いだし、
ジャンプして両足で出ました。
そうして部屋から出た少年は、ヨシ！と小さく呟いていました。

そんな少年もそれから30年が経ち、どんな大人になっているのだろうか。
果たして未来は変わったのだろうか。

少年自身が変わってくれている事を切に願おう。

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